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グローバルな取り組み
グローバルな取り組み
近年、日本企業は海外展開を積極的に進めており、海外で取引や資金調達を行うために自らの信用力を示す必要性が増しています。また、新興国の中には、資金調達にあたり地場格付の取得を義務付けている国も少なくありません。JCRは、日本の発行体の6割以上をカバーする格付機関として、こうした日本企業の海外でのニーズに応えるための地道な取り組みを続けています。具体的には、①様々な国の格付機関規制を遵守し「適格格付機関」に認定されることで、海外でもJCR格付を可能な限りそのまま活用できるようにする②地場格付機関と提携し、地場格付の取得を支援する③格付レポートを英語でも配信し、海外の投資家にもJCRの専門的な分析を提供する――といった取り組みです。
また、JCRは、東京市場の活性化に不可欠な海外の発行体の増加に向け、海外の格付機関とのネットワーク構築を積極的に進めています。中でも、成長著しいアジアを始めとした新興国を中心に、現地の事情に誰よりも精通した地場格付機関との提携を進めることで、日本の投資家に対し、日本語で、最新かつ正確な情報と中立かつ客観的な分析を提供することに努めています。
グローバルに活用できるJCRの格付
JCRは、金融・経済のグローバル化が進むなか、JCRの格付が海外でもそのまま活用できるための努力を続けています。その一環として、JCRは既に、欧米・アジアの主要市場の規制当局から適格格付機関と認定されています(以下参照)。
債券 | 銀行融資 | その他 | |
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日本 | 〇 金融商品取引法に基づく 登録信用格付業者 |
〇 適格格付機関(ECAI) |
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米国 | 〇1/ 1934年証券取引所法に 基づくNRSRO |
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EU | 〇2/ EUの格付会社規制に おける証明を受けた 格付会社 |
〇2/ 適格格付機関(ECAI) |
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英国 | 〇3/ 英国の格付会社規制に おける証明を受けた 格付会社 |
〇3/ 適格格付機関(ECAI) |
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トルコ | 〇 適格格付機関(ECAI) |
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香港 | 〇 適格格付機関(ECAI) |
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タイ | 〇4/ タイSECの認定する 外国法適格格付機関 |
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インドネシア | 〇5/ インドネシア中銀の認定 する民間対外借入規制上の 適格格付機関 |
1/ 証券化商品(Asset-Backed Securities)を除く。
2/ EU域外の発行体・金融商品への格付のみ。
3/ 英国以外の国の発行体・金融商品への格付のみ。
4/ 全ての国際スケールでの格付、及び、現地スケールでの①国際機関・外国政府の債券②外国法人やその子会社の債券③外貨建債券―への格付。
5/ 親会社からの借入及び親会社保証による借入の場合には、親会社の格付で代用可能。
- 各国の規制の詳細はこちら
- その他の国についても、JCRにご相談下さい。JCRが有する海外格付機関とのネットワークから最適な格付機関をご紹介し、格付取得の支援も行っております。
世界に広がるJCRのネットワーク
JCRはこれまでに、ソブリン、国際機関、事業法人、金融法人などで、200先を超える海外発行体について、様々な情報を収集し、格付を公表してきました。
また、日本の投資家による海外投融資が拡大し、また、日本企業による海外展開が加速する中、海外の情報収集や、日本企業の現地での資金調達支援のために、JCRは海外格付会社との提携を拡充しています。
ACRAAは、アジアに所在する地場格付機関の格付の質の向上に向け、相互協力を推進するために2001年に設立された、アジアの格付機関による業界団体です。アジアの新興国では、各国ごとに格付スケールが異なるものの、どの格付機関にも共通する、格付プロセスの客観性・透明性や、分析や格付の正確性といった課題に、共同で対処するために、ベスト・プラクティスの確立・普及や共同研修を実施しています。また、近年では、世界的な格付機関に対する規制強化の流れを踏まえた情報収集や、各国の債券市場や格付取得規制についての情報提供にも努めています。JCRは、ACRAAの会長として、ACRAAの活動を支えております。加盟機関などの詳細はこちらをご覧ください。
JCR Eurasia Ratingは、2007年に設立されたトルコの格付機関です。同社は、信用格付を通じてトルコの金融・資本市場の発展に貢献しており、トルコ国内における市場シェアは85%に達しています。トルコは、アジアとヨーロッパの結節点に所在し、8千万人近い人口と中東最大の経済規模を誇る有力な新興国です。JCRは、同社に出資(14.95%)すること等により、トルコにおけるネットワーク構築に努めています。
- ペルー・JCR LATAM
JCR LATAMは、2015年に設立されたペルーの格付機関です。ペルーは、人口3,149万人を擁する、南米の主要国の一つです。銅などの鉱物資源が豊富であり、近年では、堅実なマクロ経済運営の下で順調な成長を続け、一人あたりのGDPは6,201米ドル(2016年実績)に達しています。ペルーの債券市場では、公募での債券発行にあたり複数の地場格付機関からの格付取得が規制で義務付けられています。加えて、ペルーは、チリ・コロンビア・メキシコと共に、「ラテンアメリカ統合証券市場(MILA)」と呼ばれる証券市場の統合にも取り組んでいます。JCRは、同社に出資(15%)すること等により、①南米諸国の経済・金融・産業・企業に関する情報収集体制の強化②現地に進出する日本企業の地場格付の取得支援③国際資本市場での資金調達を目指す南米企業への格付付与の拡充④JCRの有する国際的な格付機関ネットワークの拡充-に努めています。
VISは、1997年に設立されたパキスタンの格付機関です。同社は、中東を中心とするイスラム圏とのつながりが強く、バーレーンに本拠を有する国際イスラム格付機関(IIRA)の発展に努めているほか、様々なイスラム圏諸国における格付制度の普及に取り組んでいます。JCRは、同社と協力すること等により、イスラム金融に関する知見の習得や、イスラム圏諸国とのネットワーク構築に努めています。
12億人を超える人口を有し、急速な経済成長を続けるインドは、日本企業による対外直接投資先として大きく注目されています。こうしたインドで、一定額以上の資金調達を行う際には、地場格付機関からの格付取得が義務づけられています。一方、インドには、国営企業や財閥系など有力な地場企業が多数存在します。地場の金融・資本市場は未だ発展途上にあり、彼らの海外での資金調達ニーズは旺盛です。JCRは、1993年に設立され、1万社近い発行体に格付を付与する、インドを代表する地場格付機関CARE Ratingsと提携することにより、日印両国の経済・金融情勢に関する情報提供や、日本企業及びインド企業の相手国における資金調達の円滑化に努めています。
米国に隣接し、人口1.2億人を有す主要新興国メキシコに対し、近年、日本企業は、自動車関連を中心に、進出を加速させつつあります。メキシコで、債券発行などで資金調達を行うにあたっては、現地の投資家に広く受け入れられている格付機関からのローカルスケールでの格付の取得が欠かせません。また、メキシコの発行体は伝統的に米国での資金調達ニーズが旺盛ですが、資金調達源の多様化や低金利環境の享受の観点から、東京市場への関心も高まりつつあります。JCRは、2007年に設立され、370社以上の発行体に格付を付与する、メキシコを代表する格付機関HR Ratingsと提携することにより、日墨両国の経済・金融・産業に関する情報提供の強化や、日本企業やメキシコの発行体の相手国における資金調達の円滑化に努めています。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の主要国マレーシアへは、日本企業は早くから、電機・電子産業を中心に、進出してきました。また、マレーシアには、世界最大の現地通貨建イスラム債市場が存在します。MARCは、1996年に設立され、通常の信用格付に加え、イスラム金融やプロジェクトファイナンスといった分野の格付にも定評のある、マレーシアの格付機関です。JCRは、MARCとの提携により、マレーシアや東南アジアの経済・金融情勢に関する情報提供や、日本企業及びマレーシアの発行体の相手国における資金調達の円滑化に努める所存です。
JCRのグローバル・トピックス
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