お知らせ

格付けの見通しと見直し方向の導入のお知らせ
2005.11.15
格付けの見通しと見直し方向の導入のお知らせ

2005年11月15日

株式会社日本格付研究所(JCR)は、格付けの見通しに関する情報へのニーズが高まっていることを踏まえ、「格付けの見通し」の対象を拡大すると同時に、クレジット・モニターに「見直し方向」を付記することとしました。今後格付けの見直しに着手し、同作業を終了した先について公表するニュースリリースについて、原則として下記の通りの取り扱いに順次切り替えることといたします。

(1) 「格付けの見通し」の対象を拡大
  「格付けの見通し」の対象を拡大し、原則として全ての長期優先債務格付けと保険金支払能力格付けについて「格付けの見通し」(「ポジティブ」、「安定的」、「ネガティブ」、「不確定」「方向性複数」)を公表。

 

(2) 「長期優先債務格付け」を併記
  原則として全ての長期債、発行登録債、MTNの格付け(ただしストラクチャード・ファイナンス案件を除く)について、「長期優先債務格付け」を併記。

 

(3) 「見直し方向」の導入
  クレジット・モニターの対象となった全ての格付けについて「見直し方向」(「ポジティブ」、「ネガティブ」、「方向性不確定」)を導入しこれをニュースリリースのヘッダー部分に併記。

 


【格付けの見通し】

「格付けの見通し」は、長期優先債務格付けまたは保険金支払能力格付けが中期的にどの方向に動き得るかを示すもので、「ポジティブ」、「安定的」、「ネガティブ」、「不確定」「方向性複数」の5つからなります。
今後格上げの方向で見直される可能性が高ければ「ポジティブ」、今後格下げの方向で見直される可能性が高ければ「ネガティブ」、当面変更の可能性が低ければ「安定的」となります。
ごくまれに、格付けの見通しが「不確定」または「方向性複数」となることがあります。格上げと格下げいずれの方向にも向かう可能性がある場合に「不確定」となり、個別の債券や銀行ローンの格付け、長期優先債務格付けなどが異なる方向で見直される可能性が高い場合には「方向性複数」となります。
JCRは01年4月9日に「格付けの見通し」を導入し、ソブリン格付けを中心にこれを公表してきました。発行体の信用力についてのJCRの見解をより明確に示すために、今回対象を拡大し、原則として全ての長期優先債務格付けと保険金支払能力格付けについて「格付けの見通し」を公表します。
個別債券等の格付けには「格付けの見通し」を発表しませんが、個別債券等の格付けの見通しが長期優先債務格付けの見通しと異なると考えられる場合には、ニュースリリースにおいてその旨を明示した上で、長期優先債務格付けの見通しを「方向性複数」とします。
【長期優先債務格付け】

長期優先債務格付けとは、債務者(発行体)の債務全体を包括的に捉え、その債務履行能力を評価したものです。個別債務の評価(債券の格付け、ローンの格付け等)では、債務の契約内容、債務間の優先劣後関係、回収可能性の程度も考慮するため、個別債務の格付けが長期優先債務格付けと異なること(上回ること、または下回ること)もあります。
JCRは今後、原則として全ての長期債、発行登録債、MTNの格付けについて、「長期優先債務格付け」を併記します(ストラクチャード・ファイナンス案件を除く)。
【クレジット・モニター時の見直し方向】

JCRは、発表した格付けにつき、定期的な見直しを行う場合に加えて、戦争、大きな事故、合併、訴訟、行政措置、大幅な業況の変化など格付変更の可能性があると判断した場合には、クレジット・モニターの対象とし随時格付けの見直し作業を行うとともに、その旨を「クレジット・モニターの対象とした」と発表しています。クレジット・モニターの対象となった格付けには、それが解除となるまで格付記号の前に「#」が付けられます。
JCRは、クレジット・モニターの対象となった全ての格付けについて「見直し方向」を付記します。「見直し方向」はクレジット・モニターの対象となった格付けがどの方向で見直されるかを示すもので、「ポジティブ」、「ネガティブ」、「方向性不確定」の3つからなります
【見通し/見直し方向と格付けの変更】

「格付けの見通し」およびクレジット・モニターの「見直し方向」は、格付けの変更を予告するものではありません。また、「格付けの見通し」が「安定的」である発行体についても、状況によっては「格付けの見通し」の変更やクレジット・モニター指定なしに格付けを変更することがあります。

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