一つは去る5月10-11日に台北で開催されたAPEC Business Advisory Council (ABAC)/Pacific Economic Cooperation Council (PECC)共催の\"Developing Bond Markets in APEC (Asia-Pacific Economic Corporation) The Role of Public-Private Sector Partnership\"。
とくに今回アジア地域の格付機関の連合であるACRAA(Association of Credit Rating Agencies in Asia:アジア格付機関連合、11ヶ国19社。本連合の設立背景などについてはこちらをご覧下さい)が正式機関として本会議に招待され、ACRAAの会長(当社、今井国際格付部長が2001年9月設立以来就任している)が開会でのスピーチを行った事が特記される。
最近、アジア債券市場発展のための具体策としてASEAN + 3のAsian Bond Market Initiative (ABMI)やAsian Bond Fund (ABF)等が動き出している。ABMIでは地域の格付けについて重大な関心を払い地域格付けの向上・促進を目指しており、その目標に貢献しうる機関としてACRAAが位置付けられている。
二番目は、5月16日に韓国・済州島でアジア開発銀行(ADB)総会時に開催されたADBセミナーDomestic Credit Rating Agencies in Asia - Roles, Issues, and Challenges(プログラムはこちらをご覧下さい)
同会議はACRAAより3名のスピーカーが参加。ACRAA事務局長のMr. Dumlao, President, フィリピンPhilratingが、同様にアジア地域における格付けにかかるharmonizationの必要性を強調。これは格付け手法の\"sameness\"ではなく、格付の\"comparability\"向上を目指すものである旨、指摘した。
また、ACRAA、Best Practice委員会の長である、Mr. Ravimohan, Managing Director, インドCRISはメンバー格付機関の格付けビジネスにおけるbest practiceの確認作業を通じて格付機関のCode of Ethics and Code of ConductをACRAAとして公にしたこと、および引き続き格付け上、キーポイントとなる格付けプロセス・基準、デフォルト率等の公表など21項目にかかる\"Best Practices\"の大要をまとめつつあると発表した。
ACRAAの役員であるMr. Menon, Managing Director, マレーシアRAMは、ACRAA発足の前提となった様々な環境についてAsian Bankers Associationが公刊した調査報告(2000年、11ヶ国18機関対象)\"Development of Regional Standards for Asian Credit Rating Agencies : Issues, Challenges and Strategic Options\"を更新するために、ADBのTechnical Assistanceにより域内地場格付機関の動向(11ヶ国、15機関対象)にかかる再調査(2004年)報告を行った。