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- メガバンクグループ連結地域銀行に関する格付方法の変更を検討
お知らせ
- メガバンクグループ連結地域銀行に関する格付方法の変更を検討
- 2013.06.04
- 株式会社日本格付研究所(JCR)では、以下のとおり格付方法の変更を検討していますので、その概要と背景および当該変更に伴い見直される可能性のある格付の範囲と見直しに要する期間をお知らせします。
1. 検討中の変更の概要と背景
JCRでは、2012年3月26日付の業種別格付方法「銀行等」(「現行手法」)の一部変更を検討している。この一部変更の主要な内容は、メガバンクグループの傘下にある地域銀行(「傘下地銀」)、とりわけ連結子会社である地域銀行(「連結地銀」)の格付方法にかかるものである。メガバンクグループの傘下地銀について、現行手法では親銀行の支援を格付に強く織り込むことは難しいとしてきたが、新たな格付方法では、一定の要件を満たす場合は、親銀行からの追加的な支援の可能性を加味して格付を行うよう取扱いを変更することを検討している。
現行手法のもとで、JCRはメガバンクグループの傘下地銀の格付を、傘下地銀単独の信用力(これには取扱商品・サービスの提供、ノウハウの提供、顧客紹介、営業チャネルの提供など、平素より親銀行から受けている便益の効果が含まれる。)に基づき付与し、将来における資本支援など追加的支援の可能性については強くは反映させてこなかった。これは、親銀行からみた傘下地銀の戦略的な重要性が不明確であり、また、歴史的にみても、傘下地銀のメガバンクグループの傘下入りが戦略的な判断の結果というより、不良債権処理などの際の資本支援の結果実現したという側面が強いケースが多いとJCRが考えてきたことを反映している。
しかし、JCRではメガバンクと傘下地銀の関係につき、次の点に着目する必要性が出てきたと考えている。まず、戦略的重要性の如何にかかわらず、連結地銀を中心に、傘下地銀と親銀行の間で、リスク管理関連情報の共有など、内部管理上の結び付きが一層強まってきた。バーゼルⅡ対応やバーゼルⅢ対応など、親銀行からみた連結ベースの内部管理の高度化への要請がこの傾向を強めていると考えられる。また、連結地銀を中心に、傘下地銀がホームページ上などで親銀行グループの名前を掲げてきたことなどで、親銀行ブランドの共有が浸透しつつあるように見受けられる。ブランドの共有は、レピュテーションの維持のために親銀行が支援を行うインセンティブとなる。加えてもっとも重要なことであるが、近年、連結地銀を中心に、親銀行からの追加的な資本支援が観察されてきた。三井住友銀行は09年に連結子会社である関西アーバン銀行の、10年には同じく連結子会社であるみなと銀行の資本増強に応じた。また、13年3月には関西アーバン銀行につきさらなる資本増強に応じることを公表している。この13年3月公表の資本支援の主眼は、今後適用が予定される新たな自己資本比率規制への対応と見受けられる。09年と10年の資本支援が赤字に伴う資本の毀損を埋め合わせるというやや消極的な性質のものであったのに対し、13年3月公表の資本支援は、傘下地銀の財務課題の解決に前向きに関与する姿勢を伺わせるものとして特に注目される。
これらの点を踏まえ、JCRは傘下地銀の格付につき新たな格付方法で次のように取り扱うことを検討している。
メガバンクグループの傘下地銀につき検討中の新たな取扱い
メガバンクグループの傘下にある地域銀行について、メガバンクグループの傘下にあることだけを理由に、親銀行またはグループ(「親銀行等」)の信用力を起点に格付を判断することはしない。親銀行等からみた戦略的な重要性が不明確であり、また、歴史的にみても、グループの傘下入りが戦略的な重要性によるものというより、金融危機における不良債権処理などの際の資本支援の結果実現したという側面が強い場合、親銀行等からの支援を格付に強く織り込むことは難しい。もっとも、そのような経緯でグループ入りした地域銀行であっても、その経営管理に親銀行等が相応の責任をもつであろうと判断される場合は、親銀行等からの追加的な支援の可能性を加味して格付を行う。この判断にあたっては、親銀行等との連結関係の有無、平素の経営管理における親銀行等の関与の度合い、業務における親銀行ブランドの利用状況などを参考とするほか、実際の支援の実績も勘案する。
2. 変更に伴い見直される可能性のある格付の範囲と見直しに要する期間
本件検討は、本年9月末までに完了させる予定である。前述した格付方法の変更がもし実際に行われた場合に、その結果として見直しが行われる可能性がある格付は、下に掲げる2銀行の格付である。当該変更は格付にポジティブに働くが、当該変更による影響は2銀行のいずれについても1ノッチ程度となる可能性が高いと考えている。本件検討の完了と同時に、その結果を格付に反映させる予定である。
発行体:株式会社みなと銀行
長期発行体格付:A-
見通し:安定的
発行登録債予備格付:A-
劣後ローン格付:BBB+
発行体:株式会社関西アーバン銀行
長期発行体格付:BBB+
見通し:安定的
短期発行体格付:J-2
(担当)炭谷 健志・宮尾 知浩
13d0179
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