金融庁長官（格付）　第1号

信用格付とは、法人の債務履行能力、または個別債務（社債、ローン、CPなど）の履行確実性を等級で表示したものです。信用格付は、格付会社が公正な第三者として表明する評価意見で、格付会社が独自に定める格付記号によって表現されます。

多様化する資金調達への対応

• 公募債やCPを発行し市場から資金調達を行う場合には、信用リスク情報である格付がないと、実務上、募集は困難です。
• 近時は、シンジケート・ローンの組成に際しても活用されています。
• 金融市場の進展に伴い、格付は、社債等の発行時に発行企業の信用力に応じた資金調達コストを表象する従来の機能に加えて、アセットファイナンスやハイブリッド証券も対象とし、企業のB/S全体にわたる資金調達に有効な指標へと、その機能が拡大しています。

第三者評価としてのIRツール

• コーポレート・ガバナンスへの意識の高まりを背景に、債券発行による資金調達計画がない企業においても、第三者評価である格付をIRの一環として公表し、事業全体のPRを積極的に進める企業が増えています。
• 取引先・（個人）投資家などへの有力な情報提供になります。
• 社員採用に役立ちます。
• 非上場企業では、経営の透明性をアピールする手段として活用できます。

新BIS規制上の重要なツール

• 2006年から、銀行業務のリスク判断基準として導入されたBIS規制において、銀行が保有する諸資産（貸付金、各種証券など）に対するリスク・ウェイト算定の基礎として、格付が使われています。

経営指針への活用

• 多岐にわたる業種、企業群に対して格付を行っている格付会社から格付を取得し、モニタリング及びレビューの形式での定期的、客観的な評価を経営に活かしていくことも、格付の有効な活用策となります。